2009年10月18日

SCAJ2009に行ってきました

SCAJ2009に行ってきました。
SCAJというのは日本スペシャルティコーヒー協会の略称で、アメリカのSCAA、ヨーロッパのSCAEと並び、世界のトップクオリティコーヒーの生産、流通、消費をサポートする目的で作られている団体のことです。
弊社もSCAJの法人会員の端くれに名を連ねさせていただいていることもあり、毎年、年に一度のコンベンションで、内外の関係機関の集まるこのイベントに参加させていただいています。

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このイベントには世界各国のコーヒー業者が集まり、業者間どうしの商談が行われたり、それぞれの生産国ごとにそのお国のコーヒー紹介などのワークショップなどが盛りだくさんで開催されます。
また、毎年世界中のコーヒー職人の技を競い合う、世界バリスタ選手権の日本予選決勝が行われたり、日本独自のサイフォンでのコーヒー抽出、サービス技術を競い合うサイフォニスト選手権などの様々な競技会も同時に開催され、イベントを盛り上げております。
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さて、そんなイベントの中で今年私共が目玉と考え参加したのは、コーヒーマイスター限定として開催された、コスタリカの様々な品種のコーヒーのカッピング(味の目利きのことです)とスイーツとの相性、マリアージュについてのワークショップでした。
コスタリカはあまり日本では馴染みが深くありませんが、1940〜70年くらいまでは世界最高峰のコーヒー生産国として知られていた由緒正しいコーヒー生産国です。
中米の細長く起伏に富んだ自然環境は山ひとつ谷ひとつ越えただけでそれぞれに違う「微気候」と呼ばれる複雑な自然環境を作り出しており、今も個性的な高級コーヒー生産地として世界的に名を馳せています。
現在当店ではコスタリカのディベルサ農園で栽培された希少種8銘柄を取り扱っていることもあり、コスタリカコーヒーのカッピングには少し気負うところもあったのですが、出てきた銘柄はカツーラ2種とムンドノーボ、そしてビジャサルチと少し拍子抜けしたような一般銘柄でした。
ただし、プレゼンテーターはコスタリカの著名な輸出業者であるエクスクルーシブコーヒーのフランシスコ・メナ氏、また同席された生産者はCOE(カップオブエクセレンス)NO.1のドンマヨさんはじめ、そうそうたる顔ぶれであり、非常にきれいで洗練されたコーヒーを堪能させていただきました。
また、世話役でもあるバッハコーヒーの田口御大(コーヒー業界では超のつく有名人ですね)のはからいもあり、バッハさんで提供されている様々なスイーツを課題材料として、コーヒーとのマリアージュについて参加者共々議論をかさねさせていただきました。
紅茶とスイーツのマリアージュやワインと食事、チーズなどのマリアージュは体系づいたようなものもありますが、残念ながらコーヒーの世界は「なんとなく」というくらいのものしかないのが実情です。
当店としても一般のお客様、業務のお客様を含めてもう少し体系づけたご案内ができればと常々かんがえていたこともありましたので、よいきっかけをいただいたと思っております。

さて、それとは別にワークショップの中でコスタリカコーヒーの方々とお話しをする中でぜひに質問してみたいと思っていたことがあります。
それはコスタリカのトップクラスのコーヒーに度々使われる「ブティックコーヒー」なる表現についてです。
あまり多く使われる言葉ではありませんが、上質なコスタリカコーヒーに出会えば出会うほど耳にする言葉でもあります。
今まで方々に聞いて歩いたのですが、なかなかはっきりとした答えを伺ったことがなく、なぜ「ブティック」なる冠をコスタリカコーヒーだけつけるのだろうか?と疑問に思っておりました。
メナ氏に質問したところ、なんと簡単に解決!
コスタリカのスペシャルティコーヒーの世界では、SCAAの基準でカッピングを行い、85点以上の品質のものを「ブティックコーヒー」、90点以上のコーヒーを「シャンパンコーヒー」と言うようになっているのだそうです。
(この格付けで言えば、現在当店に入荷中のディベルサコーヒーはいずれもブティックおよびシャンパンコーヒーと言っていいと思います!)
これはコスタリカのスペシャルティコーヒーを生産する一部の生産者の中で通用する言葉のようです。
コスタリカではこの10年ほどの間に自らチェリーを栽培し、同時に精製も手掛ける小規模な自己完結型の生産方式(マイクロミルと呼ばれます)が目覚ましい発展を遂げています。
いわばワインの世界のシャトーのような形体とも言えるのですが、この生産方式に呼応するように出来上がったコーヒーにも特別な呼び方を始めたというのが真相のようです。
最上級のものに「シャンパンコーヒー」と名付けるあたり、ワイン業界をお手本にしていることは容易に想像がつきますが、ブティックというのもワイン用語であり、ブティックワインというのは有名なシャトーではないけれど自らが栽培したぶどうで素晴らしいワインの醸造を行うワイナリーのことを言うのだそうです。
(しかし、今回「シャンパンコーヒー」というコスタリカコーヒーの格付けは初めてしりました、通訳に立たれた先生も初耳とのことで、以外と知ってそうでわからないことも多いものだと改めて遠い様々な異国からやってくるコーヒーの奥深さを感じた次第です)
ちなみにコスタリカの上質なコーヒーの代名詞的に使われる言葉として「ハニーコーヒー」という表現がありますが、
これは精製方法に由来するもので、コーヒーチェリーの果肉を除去しパーチメント(生豆の入った固い殻)を取り出す際に果肉をある程度残し、ヌメリの付いた状態で乾燥を行う「パルプド・ナチュラル」というちょっと変わった精製方法のコーヒーに使われます。
この精製方法ではコーヒーが独特の甘い仕上りになるとされ、また果肉の残し方や乾燥させ方でも風味に大きな変化があることから、近年コスタリカのマイクロミルでは積極的に導入されている精製方法です。
(元々パルプドナチュラルは収穫時期に雨が少なく、水資源に恵まれずチェリーの水洗精製ができないブラジルの生産地で水洗精製に替わるものとして開発された精製方法ですが、独特の風味を作り出すことから、中米など水資源の豊富な地域でも大きく注目されだしています)
精製方法の詳細については下記ご参照ください。
http://gettekian.seesaa.net/article/97562705.html


2009年09月04日

ジャクーが新聞に載ってました!

昨年当店が国内初の販売をさせていただいたブラジル、カモシムオーガニック農園のジャクーコーヒーについて9月3日の朝日新聞に取材記事が出ていました!
カモシムオーガニック農園はブラジルでも有数のリゾート地区であるエスピリトサント州のペトラアズールにあるオーガニック農園です。
当店で以前ご紹介したインドのバルマディー農園などと同じく、世界最高峰のオーガニック農法と呼ばれるバイオダイナミック農法を実践している数少ない農園の一つです。
写真にも出ているオーナーのエンリケ・スロパー氏は地元では有名な富豪家でその遊び心から生まれたのがこのジャクーコーヒーです。
コーヒー好きならインドネシアのコピ・ルアックのことをご存知の方は多いかと思いますが、このジャクーはまさにその鳥版といった感じでしょうか。
記事中にもある下坂農園の姪っ子さんの売り出し中コーヒーカッパーであるマルシアさんも言っておられるように、コピ・ルアックよりもさらに透明感のあるきれいな香味とすっきりとした苦味が特徴ですね。
コーヒーは苦いものと思われている方は多いかもしれませんが、上質ですっきりとした苦味をもっているコーヒーというのは本当に極々一部の高級コーヒーにしたできない芸当なんですよ!深煎りによる苦味とか、インスタントコーヒーなどにありがちなロブスタ種系統の重い苦味とはまったく別物です。
ちなみにコピルアックもバリやジャワ、スマトラなどの地域によってかなり香味に差がありますので一概には言えませんが・・・。
当店ではこのジャクーやジャワ、バリ、スマトラのコピ・ルアック、フィリピンのアラミドなどを取り揃えています。
コーヒー好きなら死ぬまでに一度は試したい逸品と昔から言われるコーヒーです。お試しセットなどもありますので良かったらぜひぜひです!

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秘密のコーヒーガーデン「ディベルサ」!!!

日々の慌しさにかまけて、気がつけば4ヶ月以上もブログの更新をしておりませんでしたヾ(_ _*)ハンセイ・・・
少しづつですが、またブログ更新していきたいと思います(・∀・)ノ
懲りずにまたみてください。

さて、久しぶりの更新で今回取り上げたのは、秘密のコーヒー農園「ディベルサ」についてです。
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当店は元々日本茶の専門店ですが、20年ちょっと前から「日本茶と同様のレベルで繊細な味わいを楽しむコーヒー」という切り口でコーヒーの自家焙煎を行ってきました。
特にこの10年くらいの間にコーヒーを取り巻く世界的な環境は激変し、より洗練された上質なコーヒーを選ぶ、楽しむことができるようになってきています。

コーヒーと言えば、ブレンドというのが今でも一番幅を利かせていますが、そのブレンドを作るいわゆるストレートコーヒーでは、ブラジルとかコロンビアとか国名で選ぶのが一般的、せいぜいキリマンジャロとかブルマンなど特定のブランドものが知られているというのが長く日本のコーヒー業界の常でした。
ただ美味しいブレンドコーヒーなら文句はありませんが、世の中に溢れてるブレンドコーヒーにはなんだかあまり感心できないものが少なくありません。
考えてみれば当たり前ですが、美味しいブレンドコーヒーの大前提には美味しいストレートコーヒーがあるはずです。
「美味しくないストレートコーヒーをブレンドテクニックで美味しいコーヒーに変える!」
なんとなくこんなことが可能なんではないか?と思ってらっしゃる方が多いように思いますが、そんなうまい話しは実際にはありません。
ブレンドという作業を必要以上にすごい職人技、神業のようなものとして宣伝される業者さんなども昔から多くてそんなイメージが定着してしまっているのかもしれませんが、実際にはそんな魔法のようなものはないんです。
美味しいブレンドコーヒーの裏には必ずそれぞれの個性が際立っている素晴らしいストレートコーヒーが存在しています。
そんな素晴らしいストレートコーヒーを求めようとすれば、お米でもワインでもあらゆる農産物がそうであるように、より限られた区画までさかのぼって探す必要があります。つまり、国名などという大雑把なくくりではなく、地域・農園・品種・精製方法などこまかな情報のわかるコーヒーが必須ということになります。
この10年ほどの間にコーヒー業界に起きた最大のことは、このより細かな農園単位のようなコーヒーの買い付けが私共のような小さなロースターにも可能になったことだと思います。
そしてこのような流れは少しづつですがおおきなうねりとしてコーヒー業界を今後も動かしていくはずです。
単純なブレンド信奉ではなく、ワインの世界のように今後はますます個々のキャラクターが明確な、産地、農園、品種、精製方法などによって仕切られたシングルオリジン(ストレートコーヒー)が一般的になっていくのだろうと思います。

さて、ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、
そんなコーヒー業界の大きな流れの中で必然と言えば必然として登場したのが今回ご紹介するコスタリカのディベルサ農園です。
ディベルサ農園はコスタリカとパナマの国境沿いに広がる世界自然遺産、ラ・アミスター国立公園に寄り添うように作られた小さな農園です。
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(ラ・アミスター国立公園は中南米最大規模を誇る原生林の森で、マヤ・アステカの時代から神の鳥として崇められてきたケツァールや空飛ぶ宝石と呼ばれるモルフォ蝶、世界一小さな鳥ハチドリなど多くの貴重な動植物の宝庫とされています。ちなみにケツァールは手塚治先生の「火の鳥」のモデルと言われています。アステカ時代から農耕神ケツァルコトルの化身とされ、その羽毛は王様と最高神官にのみゆるされるものだったそうです)

ゴンザロとリカルドのフェルナンデス兄弟によって数年前に開設されたまだ新しい農園ですが、この農園は世界でも非常に特異でユニークな農園なんです。
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(農園主のゴンザロ夫妻とリカルド)
フェルナンデス兄弟のうちゴンザロは腕利きのコーヒーハンター(世界中のコーヒー産地を渡り歩き、良いコーヒーを探し出してくる買付請負人)でもあり、彼が世界中で探し出してきた超レアな品種だけをこのディベルサ農園で栽培しているんです。

現在世界中の農園で栽培されているコーヒーにはある一定のくくりのようなものがあります。それは「生産性が高く、商業流通に向いている」というもの。特にこの40年ほどの間にコーヒー業界はより生産性の高い品種、効率の良い栽培方法などが確立し、それ以外の多くの品種などが排除されるという歴史でもありました。
でもそんな中で排除されていったコーヒーの中にはとても香味に優れたものや独特のキャラクターを持ったとてもユニークなものがたくさんあったんです。
ゴンザロが彼のライフワークとして集めてきたコーヒーはそんなものばかりです。ディベルサとはラテン語で「多様性」という意味。ある種高い生産性を追い求めて画一的な方向に向きすぎていたコーヒー業界のアンチテーゼのような存在と言ったら言いすぎでしょうか・・・。

コーヒーはもちろん農産物です。様々な多様性を持つということはその本来の姿です。そんなコーヒー本来の多様性を求め、今ではほとんど見ることのできなくなってしまったような様々なコーヒー達を専門で扱う農園がこのディベルサ農園なんです。

当店では便宜上「農園」とご紹介していますが、オーナーであるフェルナンデス兄弟は「農園ではなくてコーヒーガーデンです」と強調します。
生産性を追求する大規模な農園とは正反対の存在として、一つ一つのコーヒー、品種を大事に見守るように栽培している箱庭のようなポジションを最も大切にされているとのことです!

農園の存在するコスタリカは日本ではコーヒー生産国としてはあまり馴染みが深くないかもしれませんが、1940〜70年頃までは世界でもっとも品質の高いコーヒーを生産する国として知られていました。そんな時代にコスタリカで生産されていた伝説の品種モンテクリストやビジャサルチ。その他にもエチオピア原産でここ数年パナマなど一部で大変な反響を呼び起こしているゲイシャ、同じくエチオピア原産のディジャアルゲ、赤紫の葉をつけるプープルアセンス、ブルボン島起源のポァントゥブルボン、ムルタなどなど、それぞれの品種が互いに交雑などがおこならいよう明確に区切られた畑で栽培されています。
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(区画ごとに品種が栽培され、区画ごとに交雑がおきないよう境界には他のフルーツや様々な木々が植えられています)

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また、それぞれのコーヒーに最適な精製方法を模索しながら、天日乾燥のみのナチュラル、水洗処理のフルウォッシュ、果肉除去後ヌメリのついた状態で天日乾燥を行うパルプドナチュラルなどそれぞれ丁寧な精製方法を行っています。

産地・農園・品種・精製方法などが明確なコーヒーが求められてきているという時代のニーズに合わせるように生まれた「ディベルサ コーヒーガーデン」、この存在はワインの世界で言えばシャトーやグランクリュといった位置づけになります。
当店では以前からご紹介しているコーヒーの中にも数多くゴンザロのお世話になったものがありましたが、そんなお付き合いもあって今年は初出荷となったモンテクリスト、ビジャサルチ、ディジャアルゲ(2系統)、プープルアセンス、ムルタ、ルメスーダン、エレクタの7品種8銘柄が入荷します!
いずれもまず世界中どこにいってもまずお目にかかることの難しいものばかりです!
コーヒーの多様性とそのユニークさを感じるのにこれほどのラインナップはなかなかありません!

お買い物はブログ連動HP春木屋「月滴庵」へ!

2009年04月26日

コーヒーを国で選ぶべきか・・・

当店では国名、産地、農園、品種、精製方法などを明記したコーヒーだけをご案内しています。
店頭に並ぶ1種類の豆を選ぶまでには平均して10数種類のサンプル生豆をテスト焙煎し、実際にその味わいを試す中で決めるようにしています。
そんな風にして年間数百種類にも及ぶ様々な国、地域のコーヒーをチェックしていると、同じ国でも本当に様々な個性のコーヒーがあるということに気付かされます。

店頭でお客様とお話しをする中で、「ブラジルが好きです」とか「コロンビアはあんまり・・・」という反応をよくいただきます。もちろん国によって味わいの大きな系統があるのは事実ですし、一般的に販売されているコーヒーの多くが「ブラジル・サントス」とか「コロンビア・スプレモ」などほとんど国単位での表記しかないものが多く致し方ないというのもわかる気がします。
でも、世界でもトップクラスの繊細な舌を持っているはずの日本人として、また世界有数のコーヒー消費国としても、このようなコーヒーの捉え方はとても残念に思えてなりません。

コーヒー選びの例えとして、よく「お米」を引き合いに出すのですが、まずほとんどの日本人の方は「日本米下さい」というようなお米の買い方はしないはずです。
新潟産とか秋田産などの産地、コシヒカリとかササニシキなどの品種、ちょっとこだわる方ならより詳しい生産地域や生産者情報、精米した日付などもチェックされるのではないでしょうか?
このような細分化された商品情報というのは、高い品質を求める上で必要不可欠のものです。お米を買う場合それぞれの産地・銘柄自体に特別こだわるというのではなくても、そのような商品情報があれば大きな安心感につながるのではないでしょうか?いつ、どこで、誰が、どのように作ったものなのか?このようなことが明確になって初めて品質の向上も図られるのではないかと思うのです。
身近なお米の場合、それが当たり前のことになっていますが、コーヒーの世界ではまだまだそんな単純なことが通用していません・・・。
ブラジル・サントスというのはブラジル、サントス港から出荷された輸出用規格のコーヒーという意味です。NO.2などの表記があればもう少し詳しく、輸出用規格の中でのランクなどがわかりますが、いずれにしてもブラジル中から集められた豆であり、こまかな生産者情報などは知る術もありません。「ブラジル・サントス」というコーヒーは「ストレートコーヒー」の一つとして飲まれるのかもしれませんが、実際にはブラジル中のコーヒーが生豆段階でブレンドされた「ブレンドコーヒー」なんです。

「ブラジル・サントス」のような国中の豆を”ブレンド”した”ストレートコーヒー”には一定の特徴が現れますので、「ブラジルのコーヒーは好き」「コロンビアのコーヒーは嫌い」というような「国別」の好き嫌いが出るのも分かります。
でも本来ブラジルと一言で言っても、国土面積は日本の実に約25倍、コーヒー農家もざっと20万軒以上あります。それぞれの地域で風味は違いますし、農園や品種、栽培・精製環境による違いはさらに大きなものです。
以前コラムでご紹介したように、コーヒーの世界的な流通構造の問題などもあり「国単位」のようなコーヒー豆の流通が主流となってきましたが(詳しくは「スペシャルティコーヒーは何故生まれたのか?@AB」をご参照ください)、この10年ほどの間に状況は大きく変化しています。産地・農園・品種などより細分化され、個性の明確な素晴らしいコーヒーの流通がどんどん増えてきているんです。

それぞれの農園が手塩にかけて育てたコーヒー豆。その一つ一つにはそのコーヒー独自の個性があります。
その一つ一つの個性を楽しむ、評価することこそが農産物としてのコーヒーの最大の魅力になると私どもでは確信していますし、また生産者への礼儀でもあると思うのです。
それは同じ農産物である、お米も、お茶も、ぶどうから作られるワインもみな同じなのではないでしょうか?。
単純にブラジルのコーヒーが好きとか嫌い、ではなく「今年のブラジルのレクレイオ農園は良かったね〜」というお話しをどんどんお客様とできるようになれたらどんなに素敵でしょう!?
たかがコーヒーに、そんなに入れ込んでどうする!?とお叱りの声をいただいてしまうかもしれませんが、基本的なスタンスをこのようなポイントで抑えておけば、何気なく普段飲むコーヒーだって、いつも特別美味しい「最高の一杯」にすることができるのではないかな〜と思うのです。
お客様にお話しする以上に、コーヒーを扱う業者の端くれとして特に自らに自問自答する今日このごろです・・・。

コーヒー新入荷2種!

ブラジル以外にも新入荷豆がいろいろと届いておりますが、
絶品物2つをご紹介します。

★インドネシア マンデリン・ティムティム
毎年ご紹介している超稀少マンデリン。
「ウマヅラ(馬面)」のニックネームでもお馴染みとなっていますが、スマトラ島最北部・アチェ州タケンゴンで細々と作られている細長い形状の大粒マンデリンで、年間生産量はわずかに1トン程度しかありません。ブラジルの一般的な農家1軒あたりの平均的生産量が50トン程度ですから、品種単位で1トンというのがどれほど希少なものかおわかりいただけるのではないでしょうか。
伝統的な高級産地、トバ湖周辺のマンデリンなどに比べるととても繊細でマイルドな甘みを伴っているのが特徴です。通常マンデリンは中煎り程度にすると独特の鋭い酸味が目立ってしまう場合が多く、大半はフレンチロースト程度のかなり深煎りに仕上げることが多いと思いますが、このティムティムは中煎りでもきつい酸はなく当店では通常のマンデリンよりもワンランク浅い焙煎の中深煎り(フルシティロースト)を基本にご案内しています。マンデリンらしいどっしりとしたボディとマイルドでなめらかな甘さを同時にお楽しみいただけると思います。
今年の当店入荷量は90kgとなっています!

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左がマンデリン・ティムティム、右がマウイのモカです!

★ハワイ マウイ島 カアナパリ農園・モカ・ナチュラル
2年ぶりの入荷となった超小粒モカコーヒーです。
モカというのは品種名というよりは、日本ではエチオピアとイエメンで栽培されているコーヒーの総称として使われています。(「日本では」といったのは、海外ではしばしば「コーヒーそのもの」や「高級なコーヒー」という意味で使われることも多いためです)
このマウイ島産のモカは元々イエメン産のモカがニカラグアやコスタリカの研究所を経由して1980年代後半にハワイ大学、そしてマウイ島にもたらされたもので、おそらく豆の形状からして、イエメンの最高級産地としても名高いイスマイリ渓谷のコーヒーがその源流ではないかと思われます。
まず、その粒の小ささにおそらく大半の方が驚かれるのではないでしょうか。大粒のティムティムと比べたらわずか1/5程度しかありません!しかもきれいにこのサイズで統一されていてその粒よりの姿は壮観でさえあります。イエメンのイスマイリでもこれほど粒揃いのモカは見たことがありません。カアナパリ農園の極めて高い栽培・精製技術を物語っています。
その香味はイエメンのモカとはまた全く別物、濃厚でビロードのような口当たり、非常に甘みが強いのが特徴です。冷めるとすこしスパイシーな本家イエメンモカの血筋も顔をのぞかせてくれます。
イエメンにしても、エチオピアにしてもコーヒーが生まれた本家本元の土地柄、モカコーヒーは気難しく栽培効率も非常に悪い部類に入ります。このマウイモカもしかりで、裏年となった昨年はまったく収穫ができなかったそうです。(原種に近いコーヒーの樹は豊作の「表年」、収穫がほとんどできない「裏年」を交互に繰り返すものがあります。コーヒーに限らず日本でも山栗など、原生種の果樹などにはみられる現象だそうです。)
カアナパリ農園でも極々少量が栽培されているだけですが、どうかこれからも続いてほしいコーヒーの一つです。

2009年04月24日

ブラジル新入荷3品!

ブラジルニュークロップ3種!

★サンターナ農園「カルロス」、カップオブセラード08/09 NO.1
★南原・サンタマリア農園「トゥピー」
★バージングランデ農園「樹上完熟・スーパーボイア」

まずサンターナ農園について、
セラード地区はコーヒー王国ブラジルの中でも最大・最高のコーヒー生産地区とされる地域です。標高1000m前後の高原地帯で、元々は何もない未開の大地でしたが、この30年ほどの間に世界でも最大規模を誇るコーヒー生産地区へと変貌しました。
このセラード地区で毎年開催されるコーヒーコンテスト、カップオブセラードで今年度優勝をさらったコーヒーがこのサンタマリア農園「カルロス」です。
セラード地区のコーヒーは日本人好みの酸味控えめ、香り・コクしっかり目というタイプが多いのですが、まさにこの「カルロス」はその王者たる風格のコーヒーです。
ナッツのような香ばしい香りに満ち溢れ、まろやかでどっしりとしたボディ、それでいて重くなりすぎず、軽やかな余韻を存分に楽しめます。
今回100g650円〜のご案内ですが、コンテスト優勝豆ということもあって、本来はもう少し高い価格でお願いしなければならない予定でしたが、輸出時に農園側の手違いがあった関係で少しディスカウントしていただけることになりました。
この手違いというのは・・・、
ブラジルのコーヒーの多くは「ナチュラル精製」と呼ばれる精製方式をとっており、この「カルロス」も同じです。
(精製方法についての詳細は「月滴庵日記・コーヒーの精製方法について・・・」をご参照くださいませ)
ナチュラル精製を行った生豆には、欠点豆(未熟豆や虫食い豆など)や石・小枝などの異物が混ざっている場合があります。このため、ナチュラル精製のコーヒーは人の手による異物除去(ハンドピック)が必要不可欠となります。通常高品質なコーヒーの場合現地で念入りにハンドピックをしてから輸出に出すのですが、今回は誤ってハンドピックされていないものが積み出されてしまい、日本に入港した後にハンドピックをするということになってしまっておりました。(通常現地でハンドピックされた生豆をさらに私どものような焙煎業者が確認のためにハンドピックを行います。但し、これはあくまでも確認を中心としたもの。焙煎業者自らが念入りなハンドピックをしていることを売りにする業者さんが時々いますが、それは購入している生豆のレベルがあまり高くないことを言っているようなものであったりすることが少なくありません・・・)
サンターナ農園さんも反省しきりで、今回は大幅なディスカウントをしていただけることになったというわけです。(そもそもたっぷり手間隙かけたコストの高い生豆と人件費の高い日本国内でのハンドピックをせざるを得なかったことを考えると少しサンターナ農園さんには申し訳ないような気もしてしまいますが・・・、結果的にはお客様にはお求め安い価格でブラジル最高峰レベルのコーヒーをご紹介できることになりました!)

南原・サンタマリア農園「トゥピー」について、
毎年ご紹介している日系農園、南原・サンタマリア農園から今年は超レア物、トゥピー種のコーヒーをご案内しています。
トゥピー種というのは1920年代にコスタリカで発見されたブルボン種の突然変異種「ビジャサルチ」を元にブラジルで品種改良されたコーヒーです。
コスタリカが世界最高峰のコーヒー生産地としてその名を轟かせていた1940〜70年前後までコスタリカコーヒーの主要な品種の一つになっていたコーヒーですが、病気に弱く生産性が低かったため、1970年以降そのほとんどが他の品種に植え替えられてしまいました。
ブラジルの栽培試験場においてチモール種などとの掛け合わせによって病気への耐性を持ったこのトゥピー種が生まれました。
現在農園を運営されている南原さん(日系2世、創業者の長男さん)は元々カンピーニャスの農業試験場に勤めていた農業技師でサンタマリア農園ではさまざまな希少品種が実験的に栽培されています。このトゥピー種もその一つというわけです。
今回のトゥピー種はブラジルコーヒーらしい香ばしく、まろやかな香味の中にもフルーティーなアロマを兼ね備えていて、このあたりはいかにも中米コスタリカの系統の感じがよくします。
病気にも強く、品質も極めて高いトゥピー種ですが、養分管理が非常に難しく、栽培標高も1000m前後に限定されるなど生産性はあまり高くないようで、残念ながらブラジルでも一般的にはなっていきそうもないそうです。
ちなみに、サンタマリア農園の創業者である日系1世のお父様は今年1月他界されてしまったそうです。日系農園のカリスマ的存在、カルモ・シモサカで有名な下坂氏や当店でも定番のブラジルを代表する老舗農園、レクレイオ農園の故ホアキン氏などとも懇意であったそうです。残された奥様はNHKドラマにもなった「ハルとナツ」のモデルと言われている方です。

バージングランデ農園「樹上完熟・スーパーボイア」
樹上完熟豆というのは、ブラジルでは時々お目にかかるコーヒーの一つです。
コーヒーチェリーは熟すと赤や黄色に色づいて、摘み取り時期を教えてくれますが、それをそのまま放置しておくと、簡単には樹から落ちず、そのまま真っ黒になるまで樹上で熟していってしまいます。
基本的にコーヒーの摘み取り時期として最良なのは赤や黄色にきれいに色づいた時期とされています。樹上で真っ黒になるまで熟したコーヒーチェリーは果皮が乾燥をはじめ、水に漬けると浮いてしまいます。通常このような豆は「ボイア」と呼ばれ、欠点豆に分類されてしまいます。広大な農園である場合の多いブラジルなどでは多くは機械による一斉収穫をしてしまいますが、ちょうど摘み頃のチェリーだけを手摘みなどにしていると、どうしても時期を逃してしまって結果的に樹上で熟しすぎてしまう豆が出てしまいます。そのような豆が「樹上完熟豆」と称して市場に良く出てきたりするわけです。
で、この樹上完熟豆ですが、その多くは完熟とは名ばかりで、実際には過熟のいやな香味を伴っていたりして、期待はずれだったりすることも少なくありません。ただ、中には本当に「樹上完熟」と呼ぶにふさわしいフルボディのどっしりとした味わいと濃厚な甘みを伴ったコーヒーにお目にかかったりします。
樹上完熟でこのようなコーヒーを作り出すことはとても難しい作業。たまたま樹上完熟になった、というようなタイプではまず期待できませんが、今回ご紹介するバージングランで農園では最初から樹上完熟豆を作る目的で特定の農園区画を整備しています。
ブラジルの主力品種の一つ、ムンドノーボ種の中から優良なものだけを選別して固定化したアカイア種を使い、堆肥管理、水の管理などに細心の注意を払って見事な樹上完熟豆を作っています。
バージングランデ農園はイタリア系移民のコンチーニ家が家族で運営しているブラジルでは比較的小規模なタイプの農園。収穫まで時間も手間もリスクも大きい樹上完熟は一般的に敬遠される存在ですが、バージングランデ農園では見事なレベルで栽培をしてくれています。しかも今回はそんな樹上完熟豆の中でも大粒で甘みの強いものだけを選別していただきました。大農園で結果的に樹上完熟になったものとは次元の違うまさに「スーパーボイア」。昨年はイタリアの大手ロースター、イリー社に全量買い付けられて購入することができませんでしたが、2年ぶりにご案内することができました。
※素晴らしく完成度の高かった今回のスーパーボイアですが、販売直後から超人気となり業務用のお客様から全量買い上げをいただいてしまい、現在欠品中となってしまっています。急遽追加し、今回とは別の船便でもうまもなく横浜に入港予定とのことですので、もうしばらくすると再度ご案内が可能かと思います。(輸入ロットごとに品質に違いがある場合もありますので、必ずしもご案内をお約束できるものではありませんので、誠に恐縮ですが予めご了承くださいませ)

コーヒーの精製方法について・・・

一見さくらんぼの実のようなコーヒーチェリーがコーヒー豆になるには「精製」とよばれる工程が必要になります。

コーヒーチェリーの果肉を取るとパーチメントという硬いカラの状態になり、さらにその中にいわゆる生豆という部分が入っています。この生豆を焼き上げたものが店頭に並んでいるコーヒー豆です。
果肉を取り除く作業を「ウェットミル」、パーチメントのカラを取り除く作業を「ドライミル」(脱穀ですね)なんていいますが、精製作業の中でとても重要なのはウェットミルの部分です。

ウェットミルの精製方法もひとつだけではなく、さまざまな方法があって、コーヒーの香味に大きな影響を与えたりします。
このコーヒーの精製方法についてもちょこちょことご案内しておりますが、今回は特集としてご案内したいと思います。

コーヒーの精製方法は大きくわけて、
★ナチュラル精製
★フルウォッシュド精製
★パルプドナチュラル精製
の3つに分けられます。

★ナチュラル精製とは、
摘み取ったコーヒーチェリーをそのまま天日にさらし、果肉がカラカラになるまで乾燥させる方法です。
最も単純で原始的な精製方法ですが、コクが強い仕上がりになるとされています。
乾燥に時間がかかりますので収穫時期に雨の少ないことが必要、現在では主にブラジルやイエメン、エチオピアなどで行われています。
欠点豆(未熟豆や虫食い豆)や不純物(石や小枝など)が混入してしまう比率が他の精製方法よりも高く、上質な仕上がりにするにはハンドピック(人の手による異物除去作業)が欠かせません。
欠点豆の混入度合いが高かったり乾燥工程がスムーズでないといやな発酵匂を伴ってしまう場合があります。
より上質な仕上がりのために、乾燥前に水に漬け欠点豆や石などを除去したり(多くの欠点豆や小枝などは水に浮きます。また小石なども比重の関係で分離できます)、単純に土の上に広げるのではなくコンクリート製の乾燥場にしたり、アフリカンベッドと呼ばれる台座の上で風通しを良くした状態での乾燥を行ったりする場合もあります。ブラジルなどの先進的な農園では最新のコンピューターやレーザー技術を応用した欠点豆の自動除去装置を備えているところもあります。

★フルウォッシュド精製とは、
収穫したコーヒーチェリーの果肉を除去し、カラ(パーチメント)についたヌメリを取り除くために水槽に一晩程度漬けて発酵させ、再度水洗除去を行いきれいになったパーチメントに乾燥をかけるというものです。
大量の水と専用の設備が必要ですが、水洗いの時点で欠点豆や異物の混入を防ぐことが可能で、香味としてはすっきりときれいな香味になるとされています。豆本来の香味を忠実に表現できる方法とされていて、現在世界的に主流となっている精製方法です。
除去した果肉や発酵槽から出る汚水などは周囲の環境に悪影響を及ぼす場合があるため、オーガニック団体などが中心となり、その適切な処理をすることが求められてきています。

★パルプド・ナチュラル精製とは、
ナチュラル精製とフルウォッシュド精製の中間的な精製方法で、セミウォッシュド精製とも呼ばれます。
収穫されたコーヒーチェリーの果肉を除去するところまではフルウォッシュド精製とほぼ同じですが、その後ヌメリのついた状態のパーチメントをそのまま乾燥にかける精製方式です。
大規模な設備や大量の水を必要としないため小規模農園でも可能で、水資源の乏しい地域でフルウォッシュド精製が不可能な地域でも、収穫時期に雨が多くナチュラル精製が不可能な地域でも可能な精製方法です。
香味は独特な甘みの強いアロマになるとされていて、現在非常に注目されている精製方法でもあります。
ブラジルを始め、中米各国などの先進的な農園ではかなり積極的に取り入れられています。ちなみにジャマイカのブルマンやハワイのコナコーヒーの多くは現在このパルプドナチュラル精製です。
果肉に残すヌメリの量によって仕上がりの香味に劇的な変化が起きたりする場合も多く、特にコスタリカの小規模農園などでは積極的にこのヌメリ量の調整による香味の調整に取り組んでいます。これらのコーヒーは「ハニーコーヒー」「ブティックコーヒー」などと言われ、独特の甘みを持ったコーヒーとして世界的に大きな注目を集めています。

▲スマトラ式精製について、
パルプドナチュラル精製の一つとして「スマトラ式」と呼ばれる精製方法があります。マンデリンで有名なインドネシアスマトラ島で主に行われている特殊な精製方法で、マンデリンの独特な香味はコーヒーの品種や土壌によるだけでなく、この特殊な精製方法によって作られている部分が強いと言えます。
基本的にパルプドナチュラル精製と同じなのですが、通常はナチュラルでもフルウォッシュドでもパルプドナチュラルでもパーチメントの状態で生豆の水分量10数パーセントになるまで乾燥させてからドライミル(脱穀)を行います。しかし、このスマトラ式の場合は果肉を除去後、生豆の水分量が50%ほどもある状態で脱穀をしてしまいます。脱穀後にさらに乾燥をかけ、最終的に生豆の水分量が10数%になってから輸出されるというわけです。
世界的にみても普通はパーチメントの状態で乾燥させますが、スマトラ式だけはパーチメントを取り除いて生豆にした状態で本格的な乾燥を行っています。このためこの方式で作られているマンデリンの生豆は他の地域生豆と比べて明らかに緑色が濃く、脱穀時にはまだ柔らかいため少し潰れたような形状になっています。
頻繁にスコールの降る地域でナチュラル精製はそもそも不可、小規模農家が大半でインフラも不十分なため、フルウォッシュド精製も根付かなかったためこのような精製方式が一般的になったようです。
独特なマンデリンの風味をつく出してくれる素晴らしい精製方式ではありますが、水分量の高い状態でパーチメントから生豆を取り出してしまうということは、生豆の品質保持に大きな問題を起こしてしまう可能性も高くなってしまいます。スマトラ島でマンデリンとして出荷される高品質なアラビカ種豆の割合は全体の5%程度と言われていますが(大半はインスタントコーヒーなどにも用いられる低規格のロブスタ種が占めています)、その中でも上質なマンデリンを見つけるのはとても難しいとされています。それはこの特殊な精製方式にも大きく関係しているんです。


それぞれの精製方式によって同じ農園、同じ品種でも味わいにはかなり違いが出たりします。
また、今回ご紹介した各種精製方法も地域や農園、処理施設ごとに様々な違い工夫があり、それぞれの特徴を持った精製方式が行われています。
コーヒーをお買い求めになる際にはこんな精製方式についてもチェックしてみるとまた面白いと思いますよ!

2009年04月09日

嗚呼、ミニ茶箱よ・・・

ミニ茶箱の職人が絶えてしまいました・・・
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当店ではかれこれ20年も前から茶箱に布張りをした「おしゃれ茶箱」を作っています。
お蔭様でここ数年はだいぶその存在も知られるようになり、インターネット販売なでも定着してきました。

そんなおしゃれ茶箱のラインナップの中で、一番小さなサイズのものがミニ茶箱。
お茶の輸送・保管用として作られる杉材を使った本茶箱ではなく、
お茶やお菓子などを入れて、ちょっとした贈答用などの用途で用いられる合板製の簡易茶箱です。
千代紙などを表に貼り、昔からお茶屋さんなどの店頭で愛されてきた商品です。

当店ではこのミニ茶箱にも様々な布張りをして、主にギフト用の贈答BOXとしてご案内をしておりました。
母の日や父の日のギフト、結婚式の引き出物や快気祝い、出産祝い、上棟祝いなどなど、
手ごろなサイズと価格で、様々なお祝い事などのギフトBOXとしてとても人気がありました。

しかし、残念なことにこの3月一杯でミニ茶箱を作っていただいていた職人さんが工房を閉められてしまい、ミニ茶箱そのものを入手することが不可能になってしまいました。
ちょっと特殊な茶箱であったこともあり、現在このミニ茶箱の製造はその工房ただ一つ、
つまり、長年愛されてきたこのミニ茶箱はもう誰も作る人がいなくなってしまったということです・・・。

いつかこんなことになってしまわないように・・・、
年々減り続ける茶箱の職人さん、工房。そんな状況の中で、当店では茶箱の新しい活用方法、茶箱業界の活性化に少しでもなれば、と考えこの布張りをした「おしゃれ茶箱」のご案内をネットなどを通じて始めました。
でも結局無力でした。
もう少し手助けになるようなことができなかっただろうか?
もう少し積極的に販路を切り開くことができなかっただろうか?
今更どうにもなるものでもありませんが、悔やまれてなりません。

本茶箱の職人さんも既に10名と残っていません。
しかも共通して高齢化、後継者難、受注量の減少という状況を抱えています。
ミニ茶箱の製造を他の職人さんなどにも打診してはいますが、特殊な茶箱であることも手伝い、なかなか簡単にはいきそうにもありません・・・。

茶箱は本当に素晴らしい保存BOXです。
湿気や匂いに強く、丈夫で長持ち、何より素朴な味わいはなんともいえません。
こんな素晴らしい保存BOXが時代の流れということだけで消えてしまっていいわけがありません。
微力であることを改めて痛感させられつつも、新たに茶箱への取り組みを強化せねば!と考えさせられております・・・。
posted by yu at 09:05| Comment(0) | TrackBack(0) | お茶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月08日

一番飲んで欲しいお茶!八十八夜摘み限定新茶!

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立春から数えて八十八夜、この頃になると冬を乗り越え新たに芽吹いた新芽には最高に滋味が蓄えられた状態になります。
この最高に素晴らしい状態となった茶葉を丁寧に手摘みにし、さらに間髪いれず熟練の職人の手で深蒸し製法で製茶したお茶を毎年ご紹介しています。
茶葉には酵素が含まれていて摘んだ後に放置すると熱を持ち、醗酵が始まってしまいます。このため、時間のかかる手摘みの作業は夜明け前から始まります。
当店では毎年、静岡・菊川の契約農家さんたちにご無理をお願いしてこの手摘み八十八夜新茶を作っています。

お煎茶の醍醐味の中でやはり最も素晴らしいのは春先の新茶の味わいだと思います。
淡く青々とした香りの中にふくよかな旨みが凝縮されている感じはこの時期の新茶だけが持つ特別な香味です。
ペットボトルや缶入りのお茶がとても身近な時代ですが、お茶本来の味わい、新茶の凄さをご存知の方は年々少なくなるばかりのような気がして残念でなりません。
日本人だからこそわかる繊細な味わいだと思います。
1年を通じて最もお勧めしたい、一番飲んで欲しいお茶です。この機会にぜひお試しを!

御予約は(4月30日まで!)
春木屋オンラインショップ「月滴庵」
八十八夜摘み限定新茶 上選¥1050 特上¥1575


posted by yu at 10:35| Comment(0) | TrackBack(0) | お茶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

抹茶ブロンディ

抹茶ブロンディ
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すっかりブログをサボってしまっておりました。m(_ _ )m
色々と雑務に追われ、書きたいことはたくさんあったのですが、気がつけば2ヶ月間のご無沙汰となってしまいました・・・。

恐縮至極ですが、今日は少し新商品のご案内です。


ブラウニーというお菓子をご存知でしょうか?
チョコレートをたっぷりと使った素朴な焼き菓子です。
普通のチョコレートを使うとブラウニーというのですが、ホワイトチョコレートをベースにすると「ブロンディ」という言い方になります。
これまで当店ではバレンタインの季節に限定的に「抹茶生チョコレート」というガナッシュタイプの手作りチョコレートをご案内していたのですが、通期でご案内できるお菓子もなんとかご紹介したいな〜とかねてから考えておりました。
色々と研究、試作を繰り返してるうちに3年以上もかかってしまいましたが、最終的にたどり着いたのはもう20年も前から家で良く作っていたお菓子がベースになりました。
お抹茶を使ったお茶会などの後、お抹茶がどうしても少し余ってしまいます。もちろんお抹茶としても通常の生活の中で飲むのですが、以前からそんなお抹茶とホワイトチョコレートをあわせた焼き菓子を作ることがちょこちょこあったんです。で、この焼き菓子(いわゆるブロンディ)が以外にも!?家族やお友達にも好評を得ており、今回ご紹介する「抹茶ブロンディ」のベースになりました。

元々がお茶屋ですので一般的なお菓子屋さんやケーキ屋さんが作るようなものをご案内してもあまり意味がありません。
「お茶屋が作る手作り菓子」なのだからやはりメインは「お抹茶」です。
お抹茶は今では和菓子、洋菓子を問わず広くお菓子に使われる材料ですが、一般的に製菓用のお抹茶というのは番茶を使ったものがほとんどです。お茶屋の面目としてやはりここは一番茶で、さらにお茶会などでも使われるような上質なものにこだわりました。
一番茶と番茶の違いを簡単にご説明すると・・・、一番茶は春先に最初に芽吹いた茶葉、番茶という のは一番茶以降再度芽吹いた茶葉のことで二番茶、三番茶、秋冬番茶などの総称です。一番茶は香りも味わいも色合いも最高級、番茶は茶葉も厚くなり収穫量は多くなりますが一般的に廉価な茶葉となります。

お茶会用の高級抹茶に合わせたのはフランス産の高級ホワイトチョコレートと北海道産の上質なバター、地元富士山の麓で健康的な鶏から生まれた卵など厳選に厳選を重ねた素材ばかりです。 
これらの厳選素材を合わせオーブンでじっくりと焼き上げ、仕上げにさらに抹茶チョコレートでコーティングしてあります。
上質なお抹茶の香り、どっしりとしたチョコレート感、とてもリッチなタイプのブロンディです。
お茶にもお抹茶にも、コーヒーや紅茶にもとても良く合うお菓子です!

お買い物は春木屋オンラインショップ「月滴庵」へ!
抹茶ブロンディ 5ケ入り 1050円
posted by yu at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | お茶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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