2007年08月06日

WBCレポート2

WBCレポートの続きです。

今回のWBC2007&SCAJ2007の合同大会では様々なコーヒー関係者による、ワークショップやセミナーが企画されました。
私も時間の許す限り様々なセミナーなどに参加させていただきましたが、そんな中でも最も印象的だったのが、パナマのコーヒーセミナー。
セミナーの講師はパナマのコーヒー業界を代表する農学博士であるDr.マリア氏、博士のお話し自体はパナマ全体のやや総花的なお話しでしたが、セミナー後、博士や一緒に出席されていたパナマのコーヒー関係者の方々とのお話しにはとても感銘を受けました。
計らずも、その中には今月、当店にも入荷予定の、あのエスメラルダ農園のお嬢様、レイチェルさんや、エスメラルダと並び大変有名な農園であるドン・パッチ農園の2代目、フランシスコさんがいらっしゃいました。
お二人とも超有名農園の方というだけでなく、パナマを代表するカッパー(コーヒー鑑定士)でもあり、パナマ国内はもちろん、世界的にも知られたコーヒー業界の有名人です。
マリア女史を含め、彼らにゲイシャ種などを含めた農園でのお話し、エピソードなどをしつこくお伺いいたしました。セミナー会場だけでは間に合わなくて、結局パナマのコーヒーブースにまで押しかけて色々お話しをお伺いすることができました。
ゲイシャ種はニカラグアの研究所からパナマに持ち込まれたのだそうです。ドンパチ農園のフランシスコのお父さん(名前は息子さんと全く同じ!向こうでは珍しくないそうです)はパナマの農水省にお勤めでいらして、その関係でニカラグアのコーヒー関係者との係りからゲイシャがパナマにもたらされることになったのだとか。
また、最初に農園でゲイシャを栽培しはじめたエスメラルダ農園ではあまりにゲイシャの収穫量が少なく、怒った親父さんが木を切り倒してしまったり、せっかく収穫したものもあまり品質がよくなくて、がっかりしたり、それでもあきらめずに栽培環境を変えながら作り続けた結果、標高1450mを超えると抜群の香りを出すようになることを発見したり、実際にマーケットでこれほど高い評価を受けるとはパナマのコーヒー関係者はだれも思っていなかったとか・・・、様々なお話しをお伺いできました。
でも、最も感銘を受けたのは、マリア女史もレイチェルもフランシスコも異口同音におっしゃられていた、「持続可能な農園経営」という言葉でした。
パナマに限らず、コーヒーが栽培される地域の大半は熱帯のジャングルなどもあるような地域、うっそうとした緑などから非常に肥沃な大地がイメージされがちですが、実は全く逆。それらの地域の土壌はとても薄く、ひ弱なものなのです。そんな中で無理な農園経営をすれば、環境への負荷があっというまに限界を超え、持続不可能な地域を作ることになってしまいます。実際にそのようにして放棄されたコーヒー農園も世界には少なくないのだそうです。
そんな悲劇を繰り返さないためにも、「持続可能な農園経営」が最も重要なことなんだと皆さんおっしゃっておりました。
持続可能な農園経営のため、農薬や肥料への配慮、排水などの管理はもちろん、そこで働く労働者の意識管理、そのための適正な賃金支払い、教育の提供、またそれらを可能にするためにも、世界各地のロースター、消費者などとの情報の共有などを重点的に推進していきたいということでした。
彼らのコーヒー、またコーヒー文化に対する、本当に真摯な姿は私もコーヒー業界の端っこにいる者として、大変共感するとともに、今後のコーヒーに対する考え方の指針をいただいたような気がいたしました。


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