2008年07月20日

エチオピアモカ、残留農薬問題について

エチオピア、またイエメンのモカから残留農薬が検出されたとの報道がなされ、その後コーヒー業界がにわかにざわついた状態になっています。
いずれも日本では使用が禁止されているもので、農水省が実施するポジティブリスト制度に基づき、新たな輸入に対して非常に厳しいチェックがされるようになっています。

一旦農薬検出がされますと、同地域の同商品(今回の場合はコーヒー生豆)輸入時の検疫は非常に厳しくなりますので、ほぼ全ての輸入業者が輸入自体を見合わせています。(一旦税関に持ち込んだ後、農薬検出がされてしまいますと、輸入業者の責任で全量廃棄処分をしなければならず、多大なリスクとなってしまうためです)
ちょうどエチオピアのニュークロップ(新豆)が続々と入荷してくる時期なのですが、現在、新たな輸入はほとんどストップした状態で、当店でも物理的に在庫がなくなってしまうことと、安全性の面から、先日よりエチオピアモカのご案内を休止しております。

そもそもこの地域は伝統的にあまり農薬に頼らない農業をおこなっている地域であるとされてきましたが、
一転、禁止農薬が検出されたことに業界では大きな驚きを受けました。
また、いずれもコーヒー発祥の地と言われる場所であり、1000年の長きに渡って大切に伝えられてきた伝統農法を舞台にして事件が起きたことも非常に衝撃的でした。

事態を重く見たコーヒー業界では、大手輸入業者などが現地調査などを行っており、全容はまだ解明されておりませんが、現在確認されている情報としては、生豆自体ではなく、どうも生豆を入れていた麻袋に使われた殺虫剤が検出されたのではないか?と言われています。
エチオピアにはコーヒーを入れる麻袋の製造業者がほとんどなく、主にバングラディッシュからの輸入に頼っています。
バングラディシュではマラリアの発生が現在問題となっていて、製造された麻袋にもマラリア対策のための殺虫剤が掛けられていたようです。

これはこれで、やはり問題だと思うのですが、今回の残留農薬問題ではいささかやり切れない気持ちにもなっているんです。
残留農薬は確かに良くない。でも例えばアメリカのコーヒー生豆に関する残留農薬の基準は日本の2〜3倍も許容量が多いんです。アーモンドなどに至っては10倍もの許容量の差があります。
今回の残留農薬問題と輸入制限を行っているのは世界中で日本だけです。
ポジティブリスト制度はより安全な食品を目指すために作られた制度ですが、わずかな農薬検出に対してもなにもかも十派一からげで、結果的に輸入を制限してしまう制度でもあります。
今回輸入制限されてしまっているコーヒーの中には、日本の有機栽培認証制度「JAS」や他の認証を受けたものも多数含まれて居ます。JASで有機栽培と認証されたものまでが残留農薬の危険がある、と国が言うのは明らかにダブルスタンダードで、苦労して栽培した農家のみなさん、それを一所懸命サポートし、買付けた輸入業者の方々、そしてそれを心待ちにしている消費者に対しても不誠実極まりないものと思えてしまいます。
コーヒーの生豆は生のままでは食べません。200度以上の熱処理をしてから初めて食品となります。
残留農薬検査をするのであれば、生豆ではなく焙煎された豆での評価をすべきではないでしょうか?
世界的なコーヒー需要の高まりの中でエチオピアなどのコーヒーは特に人気が高く、買付自体が年々非常に競争の厳しい状況になっています。
そんな中で世界的に見て、日本だけがちょっと滑稽にさえ映ってしまうような基準で輸入制限をするというのは、今後の現地とのパートナーシップなどから見ても非常にマイナスに思えます。
日本には今後上質なエチオピアやイエメンのコーヒーはなかなか入って来なくなるか、もしくはこれまででは考えられないほど高い値段を出さなければならなくなるか、いずれにしても暗澹たる気持ちになってしまいます。

一刻も早い自体の改善とエチオピア、イエメンコーヒーの輸入再開を望みます。
イルガチェフェ、ハラー、マタリ、イスマイリ、ets.のないコーヒーなんて、寂しすぎますよ!!



この記事へのコメント
コーヒーの豆販売店に行き、今日モカが日本に輸入
されていないことがわかりました。
あの少し酸味の利いたモカが大好きな私には、ショック
でした。今までは、ストックで対応してたので、在庫が
あったとのことでした。
いろんな食品偽装の中、これから口に入るものまで
規制されてくることが、悲しいです。
麻袋は、エチオピアでは、縫製できないのでしょうか?
Posted by ナカタニ ケイコ at 2008年09月10日 18:17
ナカタニ様、お返事遅くなってしまいごめんなさい。
エチオピアでは麻袋の縫製業者はほとんどいないそうです。
今回の事件発覚以来、多くの日本の業者さんが現地との協議などを行なっているようですが、以前として解決の糸口はあまり伝わってきません。
エチオピアにとって日本という輸出国は大きなウェイトを占めているようですが、今回日本だけが大騒ぎをしてしまっていることに、現地側でも非常に嫌悪感はあるようです。
現在のコーヒー生豆に関する基準は生野菜などそのまま口にするものよりもはるかに厳しいものになっているそうです。
現在、巷ではお米の偽装流通問題で沸き返っておりますが、このようなものとエチオピアコーヒーの問題が一緒にされてしまわないよう願うばかりです。
いずれにしても、日本の消費者感覚からすれば、現状でエチオピアコーヒーの全面的な輸入再開はかなり難しいかもしれませんね。

エチオピアの独特なフレーバーとはまた違いますが、
フルーティーな酸味に抜群の特徴を持つグァテマラのコーヒーが現在入荷しておりますので、機会があればぜひお試しください。
グァテマラ ラス・デリシャス農園 パカマラ 100g 500円
http://www.harukiya.com/product/365
Posted by yuka at 2008年09月18日 16:37
「モカを入手しました」とのブログ記事を書くにあたり、引用させて頂きました。ご了承下さい。
Posted by jupita800 at 2009年07月12日 23:51
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

折角なので珈琲飲むか
Excerpt: ちょっと前の日記のコメントにも書いて いたんですが、エチオピアのコーヒーから 残留農薬が検出されたらしくって、 日本ではエチオピアコーヒーの輸入が 全面的にストップしています。 http://www...
Weblog: 流離ヒ見聞録
Tracked: 2008-07-29 01:30

輸入停止だった モカ を入手しました
Excerpt:  モカが輸入できなくなってもう1年チョット経ちました。 コーヒー好きの方でないと そんな事は知らなかったでしょうけど。 モカは私の一番好きな豆。 それが政情不安定だか 何とか理由は知りませんが、停..
Weblog: 薪ストーブは地球を救う??
Tracked: 2009-07-12 23:52
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。