2008年12月05日

スペシャルティコーヒーは何故生まれたのか?@

 日本はアメリカ、ドイツに次ぐ世界第3位のコーヒー輸入国です。一人当たりのコーヒー消費量は約340杯/年。緑茶や紅茶、清涼飲料水などを含め、実は日本人が最もたくさん飲む非アルコール飲料になっています。
 数字だけで見ると紛れもないコーヒー大国ですが、日本は伝統的にインスタントコーヒーや缶コーヒーなどの加工用として使われる、下位品種のロブスタ種やディスカウントレベルのコーヒーが圧倒的に多く輸入されてきました。総輸入量は世界3位ですが、必ずしもトップレベルのコーヒーが多かったわけではなく、一人当たりの消費量でも実は10位にも入りません。(ちなみに一人当たりの消費量で上位はヨーロッパ、特に北欧地域が断然多く、1位のフィンランド、約1000杯/年を筆頭にノルウェー、デンマークなどでは700〜1000杯/年近くが消費されています。ちなみに世界最大の消費国アメリカは約400杯強/年ですが、近年劇的に高品質なコーヒーの割合を高めています)
 当店で専門的に扱っているスペシャルティコーヒーと呼ばれる世界トップクラスのコーヒー豆が日本に多く入ってくるようになったのは、この10年ほどのことです。ブラジルなど地球の裏側のような遠い産地という物理的な問題もあり、これまでなかなか分かりづらかった生産地や生産者の情報も最近ではインターネットなどの普及も手伝い、比較的簡単に入手することができるようになってきています。

 さてこの「スペシャルティコーヒー」という言葉、今ではそんなに珍しい言葉ではなくなってきています。
 スペシャルティコーヒーという言葉、その概念は1980年前後から主にアメリカを中心に広がってきた考え方です。元々アメリカ、クヌッセンコーヒーのエルナ・クヌッセンさんが提唱した「より特定された気象、地理条件が個性的で独特な風味を作りだす=スペシャルティコーヒー」という考え方に小さな販売業者、生産者が呼応する形でこの分野のコーヒーがスタートしています。ただ、実際にスペシャルティコーヒーが世界的なムーブメントになるのは2000年前後、20世紀の終わりくらいから、急速にその存在感を増してきます。
 世界的に高まる食文化の成熟、世界的な情報、交通の高度化、なにより、より美味しいものを求める消費者の欲求、それらがスペシャルティコーヒーというカテゴリーを後押ししましたが、実はスペシャルティコーヒーが生まれる背景にはそれだけでない、コーヒーという農産物がかかえる構造的な問題と、アメリカを中心に世界のコーヒー流通の多くを占める国際的なコーヒー流通企業などの存在が大きく影響を与えています。
 今回から、何回かに分けてこのスペシャルティコーヒーのうまれてきた背景と、そこに潜むコーヒー業界の長年抱え続けてきた問題について少しご紹介したいと思います。


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