2009年04月24日

コーヒーの精製方法について・・・

一見さくらんぼの実のようなコーヒーチェリーがコーヒー豆になるには「精製」とよばれる工程が必要になります。

コーヒーチェリーの果肉を取るとパーチメントという硬いカラの状態になり、さらにその中にいわゆる生豆という部分が入っています。この生豆を焼き上げたものが店頭に並んでいるコーヒー豆です。
果肉を取り除く作業を「ウェットミル」、パーチメントのカラを取り除く作業を「ドライミル」(脱穀ですね)なんていいますが、精製作業の中でとても重要なのはウェットミルの部分です。

ウェットミルの精製方法もひとつだけではなく、さまざまな方法があって、コーヒーの香味に大きな影響を与えたりします。
このコーヒーの精製方法についてもちょこちょことご案内しておりますが、今回は特集としてご案内したいと思います。

コーヒーの精製方法は大きくわけて、
★ナチュラル精製
★フルウォッシュド精製
★パルプドナチュラル精製
の3つに分けられます。

★ナチュラル精製とは、
摘み取ったコーヒーチェリーをそのまま天日にさらし、果肉がカラカラになるまで乾燥させる方法です。
最も単純で原始的な精製方法ですが、コクが強い仕上がりになるとされています。
乾燥に時間がかかりますので収穫時期に雨の少ないことが必要、現在では主にブラジルやイエメン、エチオピアなどで行われています。
欠点豆(未熟豆や虫食い豆)や不純物(石や小枝など)が混入してしまう比率が他の精製方法よりも高く、上質な仕上がりにするにはハンドピック(人の手による異物除去作業)が欠かせません。
欠点豆の混入度合いが高かったり乾燥工程がスムーズでないといやな発酵匂を伴ってしまう場合があります。
より上質な仕上がりのために、乾燥前に水に漬け欠点豆や石などを除去したり(多くの欠点豆や小枝などは水に浮きます。また小石なども比重の関係で分離できます)、単純に土の上に広げるのではなくコンクリート製の乾燥場にしたり、アフリカンベッドと呼ばれる台座の上で風通しを良くした状態での乾燥を行ったりする場合もあります。ブラジルなどの先進的な農園では最新のコンピューターやレーザー技術を応用した欠点豆の自動除去装置を備えているところもあります。

★フルウォッシュド精製とは、
収穫したコーヒーチェリーの果肉を除去し、カラ(パーチメント)についたヌメリを取り除くために水槽に一晩程度漬けて発酵させ、再度水洗除去を行いきれいになったパーチメントに乾燥をかけるというものです。
大量の水と専用の設備が必要ですが、水洗いの時点で欠点豆や異物の混入を防ぐことが可能で、香味としてはすっきりときれいな香味になるとされています。豆本来の香味を忠実に表現できる方法とされていて、現在世界的に主流となっている精製方法です。
除去した果肉や発酵槽から出る汚水などは周囲の環境に悪影響を及ぼす場合があるため、オーガニック団体などが中心となり、その適切な処理をすることが求められてきています。

★パルプド・ナチュラル精製とは、
ナチュラル精製とフルウォッシュド精製の中間的な精製方法で、セミウォッシュド精製とも呼ばれます。
収穫されたコーヒーチェリーの果肉を除去するところまではフルウォッシュド精製とほぼ同じですが、その後ヌメリのついた状態のパーチメントをそのまま乾燥にかける精製方式です。
大規模な設備や大量の水を必要としないため小規模農園でも可能で、水資源の乏しい地域でフルウォッシュド精製が不可能な地域でも、収穫時期に雨が多くナチュラル精製が不可能な地域でも可能な精製方法です。
香味は独特な甘みの強いアロマになるとされていて、現在非常に注目されている精製方法でもあります。
ブラジルを始め、中米各国などの先進的な農園ではかなり積極的に取り入れられています。ちなみにジャマイカのブルマンやハワイのコナコーヒーの多くは現在このパルプドナチュラル精製です。
果肉に残すヌメリの量によって仕上がりの香味に劇的な変化が起きたりする場合も多く、特にコスタリカの小規模農園などでは積極的にこのヌメリ量の調整による香味の調整に取り組んでいます。これらのコーヒーは「ハニーコーヒー」「ブティックコーヒー」などと言われ、独特の甘みを持ったコーヒーとして世界的に大きな注目を集めています。

▲スマトラ式精製について、
パルプドナチュラル精製の一つとして「スマトラ式」と呼ばれる精製方法があります。マンデリンで有名なインドネシアスマトラ島で主に行われている特殊な精製方法で、マンデリンの独特な香味はコーヒーの品種や土壌によるだけでなく、この特殊な精製方法によって作られている部分が強いと言えます。
基本的にパルプドナチュラル精製と同じなのですが、通常はナチュラルでもフルウォッシュドでもパルプドナチュラルでもパーチメントの状態で生豆の水分量10数パーセントになるまで乾燥させてからドライミル(脱穀)を行います。しかし、このスマトラ式の場合は果肉を除去後、生豆の水分量が50%ほどもある状態で脱穀をしてしまいます。脱穀後にさらに乾燥をかけ、最終的に生豆の水分量が10数%になってから輸出されるというわけです。
世界的にみても普通はパーチメントの状態で乾燥させますが、スマトラ式だけはパーチメントを取り除いて生豆にした状態で本格的な乾燥を行っています。このためこの方式で作られているマンデリンの生豆は他の地域生豆と比べて明らかに緑色が濃く、脱穀時にはまだ柔らかいため少し潰れたような形状になっています。
頻繁にスコールの降る地域でナチュラル精製はそもそも不可、小規模農家が大半でインフラも不十分なため、フルウォッシュド精製も根付かなかったためこのような精製方式が一般的になったようです。
独特なマンデリンの風味をつく出してくれる素晴らしい精製方式ではありますが、水分量の高い状態でパーチメントから生豆を取り出してしまうということは、生豆の品質保持に大きな問題を起こしてしまう可能性も高くなってしまいます。スマトラ島でマンデリンとして出荷される高品質なアラビカ種豆の割合は全体の5%程度と言われていますが(大半はインスタントコーヒーなどにも用いられる低規格のロブスタ種が占めています)、その中でも上質なマンデリンを見つけるのはとても難しいとされています。それはこの特殊な精製方式にも大きく関係しているんです。


それぞれの精製方式によって同じ農園、同じ品種でも味わいにはかなり違いが出たりします。
また、今回ご紹介した各種精製方法も地域や農園、処理施設ごとに様々な違い工夫があり、それぞれの特徴を持った精製方式が行われています。
コーヒーをお買い求めになる際にはこんな精製方式についてもチェックしてみるとまた面白いと思いますよ!


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