2009年04月24日

ブラジル新入荷3品!

ブラジルニュークロップ3種!

★サンターナ農園「カルロス」、カップオブセラード08/09 NO.1
★南原・サンタマリア農園「トゥピー」
★バージングランデ農園「樹上完熟・スーパーボイア」

まずサンターナ農園について、
セラード地区はコーヒー王国ブラジルの中でも最大・最高のコーヒー生産地区とされる地域です。標高1000m前後の高原地帯で、元々は何もない未開の大地でしたが、この30年ほどの間に世界でも最大規模を誇るコーヒー生産地区へと変貌しました。
このセラード地区で毎年開催されるコーヒーコンテスト、カップオブセラードで今年度優勝をさらったコーヒーがこのサンタマリア農園「カルロス」です。
セラード地区のコーヒーは日本人好みの酸味控えめ、香り・コクしっかり目というタイプが多いのですが、まさにこの「カルロス」はその王者たる風格のコーヒーです。
ナッツのような香ばしい香りに満ち溢れ、まろやかでどっしりとしたボディ、それでいて重くなりすぎず、軽やかな余韻を存分に楽しめます。
今回100g650円〜のご案内ですが、コンテスト優勝豆ということもあって、本来はもう少し高い価格でお願いしなければならない予定でしたが、輸出時に農園側の手違いがあった関係で少しディスカウントしていただけることになりました。
この手違いというのは・・・、
ブラジルのコーヒーの多くは「ナチュラル精製」と呼ばれる精製方式をとっており、この「カルロス」も同じです。
(精製方法についての詳細は「月滴庵日記・コーヒーの精製方法について・・・」をご参照くださいませ)
ナチュラル精製を行った生豆には、欠点豆(未熟豆や虫食い豆など)や石・小枝などの異物が混ざっている場合があります。このため、ナチュラル精製のコーヒーは人の手による異物除去(ハンドピック)が必要不可欠となります。通常高品質なコーヒーの場合現地で念入りにハンドピックをしてから輸出に出すのですが、今回は誤ってハンドピックされていないものが積み出されてしまい、日本に入港した後にハンドピックをするということになってしまっておりました。(通常現地でハンドピックされた生豆をさらに私どものような焙煎業者が確認のためにハンドピックを行います。但し、これはあくまでも確認を中心としたもの。焙煎業者自らが念入りなハンドピックをしていることを売りにする業者さんが時々いますが、それは購入している生豆のレベルがあまり高くないことを言っているようなものであったりすることが少なくありません・・・)
サンターナ農園さんも反省しきりで、今回は大幅なディスカウントをしていただけることになったというわけです。(そもそもたっぷり手間隙かけたコストの高い生豆と人件費の高い日本国内でのハンドピックをせざるを得なかったことを考えると少しサンターナ農園さんには申し訳ないような気もしてしまいますが・・・、結果的にはお客様にはお求め安い価格でブラジル最高峰レベルのコーヒーをご紹介できることになりました!)

南原・サンタマリア農園「トゥピー」について、
毎年ご紹介している日系農園、南原・サンタマリア農園から今年は超レア物、トゥピー種のコーヒーをご案内しています。
トゥピー種というのは1920年代にコスタリカで発見されたブルボン種の突然変異種「ビジャサルチ」を元にブラジルで品種改良されたコーヒーです。
コスタリカが世界最高峰のコーヒー生産地としてその名を轟かせていた1940〜70年前後までコスタリカコーヒーの主要な品種の一つになっていたコーヒーですが、病気に弱く生産性が低かったため、1970年以降そのほとんどが他の品種に植え替えられてしまいました。
ブラジルの栽培試験場においてチモール種などとの掛け合わせによって病気への耐性を持ったこのトゥピー種が生まれました。
現在農園を運営されている南原さん(日系2世、創業者の長男さん)は元々カンピーニャスの農業試験場に勤めていた農業技師でサンタマリア農園ではさまざまな希少品種が実験的に栽培されています。このトゥピー種もその一つというわけです。
今回のトゥピー種はブラジルコーヒーらしい香ばしく、まろやかな香味の中にもフルーティーなアロマを兼ね備えていて、このあたりはいかにも中米コスタリカの系統の感じがよくします。
病気にも強く、品質も極めて高いトゥピー種ですが、養分管理が非常に難しく、栽培標高も1000m前後に限定されるなど生産性はあまり高くないようで、残念ながらブラジルでも一般的にはなっていきそうもないそうです。
ちなみに、サンタマリア農園の創業者である日系1世のお父様は今年1月他界されてしまったそうです。日系農園のカリスマ的存在、カルモ・シモサカで有名な下坂氏や当店でも定番のブラジルを代表する老舗農園、レクレイオ農園の故ホアキン氏などとも懇意であったそうです。残された奥様はNHKドラマにもなった「ハルとナツ」のモデルと言われている方です。

バージングランデ農園「樹上完熟・スーパーボイア」
樹上完熟豆というのは、ブラジルでは時々お目にかかるコーヒーの一つです。
コーヒーチェリーは熟すと赤や黄色に色づいて、摘み取り時期を教えてくれますが、それをそのまま放置しておくと、簡単には樹から落ちず、そのまま真っ黒になるまで樹上で熟していってしまいます。
基本的にコーヒーの摘み取り時期として最良なのは赤や黄色にきれいに色づいた時期とされています。樹上で真っ黒になるまで熟したコーヒーチェリーは果皮が乾燥をはじめ、水に漬けると浮いてしまいます。通常このような豆は「ボイア」と呼ばれ、欠点豆に分類されてしまいます。広大な農園である場合の多いブラジルなどでは多くは機械による一斉収穫をしてしまいますが、ちょうど摘み頃のチェリーだけを手摘みなどにしていると、どうしても時期を逃してしまって結果的に樹上で熟しすぎてしまう豆が出てしまいます。そのような豆が「樹上完熟豆」と称して市場に良く出てきたりするわけです。
で、この樹上完熟豆ですが、その多くは完熟とは名ばかりで、実際には過熟のいやな香味を伴っていたりして、期待はずれだったりすることも少なくありません。ただ、中には本当に「樹上完熟」と呼ぶにふさわしいフルボディのどっしりとした味わいと濃厚な甘みを伴ったコーヒーにお目にかかったりします。
樹上完熟でこのようなコーヒーを作り出すことはとても難しい作業。たまたま樹上完熟になった、というようなタイプではまず期待できませんが、今回ご紹介するバージングランで農園では最初から樹上完熟豆を作る目的で特定の農園区画を整備しています。
ブラジルの主力品種の一つ、ムンドノーボ種の中から優良なものだけを選別して固定化したアカイア種を使い、堆肥管理、水の管理などに細心の注意を払って見事な樹上完熟豆を作っています。
バージングランデ農園はイタリア系移民のコンチーニ家が家族で運営しているブラジルでは比較的小規模なタイプの農園。収穫まで時間も手間もリスクも大きい樹上完熟は一般的に敬遠される存在ですが、バージングランデ農園では見事なレベルで栽培をしてくれています。しかも今回はそんな樹上完熟豆の中でも大粒で甘みの強いものだけを選別していただきました。大農園で結果的に樹上完熟になったものとは次元の違うまさに「スーパーボイア」。昨年はイタリアの大手ロースター、イリー社に全量買い付けられて購入することができませんでしたが、2年ぶりにご案内することができました。
※素晴らしく完成度の高かった今回のスーパーボイアですが、販売直後から超人気となり業務用のお客様から全量買い上げをいただいてしまい、現在欠品中となってしまっています。急遽追加し、今回とは別の船便でもうまもなく横浜に入港予定とのことですので、もうしばらくすると再度ご案内が可能かと思います。(輸入ロットごとに品質に違いがある場合もありますので、必ずしもご案内をお約束できるものではありませんので、誠に恐縮ですが予めご了承くださいませ)


この記事へのコメント
セラードコーヒー、カルモシモサカ、など懐かしい響きの文字が並んだ日記大変興味深く読ませていただきました。小生最近は日系移住地の医療巡回といった形で、ブラジル各地の移住地を回る機会をえて、その先々で、何気なく出されるコーヒーを「さすが美味しいですね!」と言いつつ頂きましたが。気候の変動の激しいブラジルの地で、農作物を安定供給することの難しさ、等やはり現地を知らねば判りにくいことですね。多くのコーヒー通が生産地の苦労を理解しつつ楽しんでくれることを、ブラジル通としては期待する次第です。今年のブラジル巡回検診の時にはそんな、コーヒー農園のことを年頭に、現地の皆様の話を聞いてくるつもりです。
 最近になってメタボだの、血糖値が気になるだので、甘さ控えめの小生ですが、ブラジルにいるとやはりあのコクのある味は砂糖抜きには味わえません。コーヒーの苦味、渋みの微妙な舌触りはあの甘さが引き立てているように思います。カップの底にトロ〜リ残る
砂糖の量!!昔は良く飲みました!今は残念ながら、日本茶同様の
砂糖抜きでコーヒーそのものの味を賞味しております。
Posted by 三浦 左千夫 at 2009年05月10日 20:46
三浦様、
すっかりご返信がおそくなってしまいもうしわけございませんでした。
また、先日はメールでのご連絡などもいただき、ありがとうございました。
現地のことをよく知っておられる方にご助言いただけることはとてもありがたいことです。
三浦様がブラジルで堪能されておられたコーヒーは、「カフェ・ジーニョ」と呼ばれるブラジル式のコーヒーですね!
極深煎りにした豆を細引きにしてかなり濃いドリップコーヒーをつくりそこにたっぷりとお砂糖を入れて楽しむというブラジル独特のコーヒー。
なかなか私共も現地までいく機会がございませんが、ブラジルの街角でカフェ・ジーニョをいつか楽しんでみたいものです!
ちなみに、世界最大のコーヒー生産国であるブラジルですが、この10年ほどの間に大きな経済成長に伴って年々その消費量も増やしています。
現在はアメリカに次いで世界第二位のコーヒー消費国です。
コーヒーの生産と消費には昔から南北問題と呼ばれる現象が付きまとっています。生産は貧しい南の国々、消費は豊かな北の国々という需給上の経済的アンバランスが様々な問題にもつながっていたわけですが、その結果の一つとして大半のコーヒー生産国ではあまりコーヒーを消費しない(できない)ということがあります。コーヒーは自国で消費するものではなく、外貨を稼ぐためのもの、という位置づけが定番化されやすくなってきたわけです。
ブラジルでも長らく国内消費には輸出に向かないランクのものが多かったようですが、ここ数年は質、量ともに急速に高まっているようですね。
伝統的なカフェ・ジーニョから、本格的なエスプレッソマシーンを使ったバルも数多く登場してきているようです。
でも、やっぱりブラジルではカフェ・ジーニョがこれからも残っていってほしいですよね!理由はともかく長く現地の人に愛され根付いた習慣なのですから!
(ちなみに、世界各地には現地独特の様々なコーヒーがあります。コーヒー発祥の地ともされるエチオピアやイエメンなどでは、コーヒーに塩を入れたり、コーヒーの生豆を包んでいるパーチメント(殻)を使った「ギシルコーヒー」など一度現地で試してみたいものがたくさんあります!)
Posted by yuka at 2009年05月20日 09:56
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