2006年11月23日

有機栽培コーヒーを考える(4)

疑問3、天然の有機栽培はどうなのよ?

有機栽培コーヒーについて考える時、国内の農産物とは違う、コーヒー独自のポイントがあります。
それは、多くのコーヒー栽培地域が発展途上国やジャングルの奥地、隔絶された高地、渓谷、盆地、などに存在しているということ。また、それら地域は共通して貧困と情報不足という問題を抱える地域でもあるということ。
そのような生産地においては、「そもそも農薬や化学肥料自体を知らない」という農民も少なくありません。知らないということはないにしても、「お金がなくて買えない」という農民も非常に多いようです。
また、エチオピアやイエメン、インドネシアなどの大変古い栽培の歴史を持つような地域においては、かたくなに昔ながらの素朴な栽培方法をむしろ積極的に守り続けているような人々もいます。それはコーヒー栽培というよりも、同一部族や村単位の伝統文化的な感覚に近いようなものだと思います。当店で販売しているエチオピアワイルドモカイエメンモカマタリゴールデンタナトラジャなどはそうしたしたコーヒーに当てはまると思います。
そのようなところでコーヒー栽培を行う農民の大半は極々小規模な農家で、計画的に整備された畑などを持っているのではなく、少し大げさに言えば、自生している、または種をまいただけであとは勝手に生えているコーヒーの木から単純に実を収穫しているような農民達です。
このようなコーヒーは言ってみれば「天然の有機栽培コーヒー」ということになります。痩せた大地で細々と育ったようなコーヒー達ですが、その味はいずれも大変個性が強く、素晴らしい香味を持っている場合が多いのです。痩せた大地で収穫されるトマトが美味しくなるのとよく似ています。
しかしそれらのコーヒーが「有機栽培」と銘打って販売されることはありません。
なぜか、「有機栽培認証プログラム」を受けていないからです。
このシリーズでもご紹介しているように、現在世界各地で様々な有機認証プログラムが存在しますが、それはいずれも欧米諸国が音頭とりをして作り上げている高度で複雑な品質保証プログラムです。
単純に言えばその認証を受けるには「お金」と大変な「知識」が必要なんです。
肥料を買うお金もない農民にそんな複雑でしかもお金のかかるプログラムを実施する余裕などあるはずもありません。
それら小規模な農民を支援するプログラムも一部あることはあるようですが、現在一般的に流通する「有機認証コーヒー」は大資本による計画的な農園経営を行っているところが比較的多い、中南米諸国の大規模農園産のものがほとんどです。そのような地域で栽培されるコーヒーは高度に管理された言わば「人工的有機栽培コーヒー」と言えるかもしれません。
これはちょっと皮肉なお話しですね。
天然の有機栽培と人工的有機栽培どちらがいいかは一概には言えませんが、少なくとも有機栽培の認証を受けたコーヒーだけが健康的なコーヒーではないし、認証コーヒーが味、質ともに最高レベルのものという保証もないのは事実だと思います。

さて、次回はこのシリーズ最終回、なんだか有機認証に否定的のようなお話しばかりしてきましたが、実は私自信すんごく、有機認証には期待と希望を持っているんです。そんなお話しを含めたものを・・・


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