讃岐うどんのように洗練されたなめらかで艶のあるうどんではありませんが、強烈なコシと素朴な味わいでうどんファンの方々には少し知れた存在だそうです。
寒冷な高地であるために、その昔はなかなかお米が取れず、うどんは地域の常用食として伝えられてきました。
私も子供の頃から良く食べてきていて、今では笑い話しですが、うん十年前の中高生の時代には「女の子はうどんがちゃんと打てなければお嫁にいけない!」なんて、言われてるくらいだったんです。
さて、そんななれ親しんだうどんの世界がこのところにわかに揺れています。
原料である小麦粉の値段がこの4月から一気に30%も値上げされるというのです。
既に昨年、2%、10%と2度に渡って値上げがされており、今回と合わせると、昨年の価格よりも約45%値上げがされるということになります。
しかも、値上げはどうみてもこれで終わりではなくて、シカゴの商品取引所ではこの1年間で約2倍に相場が上がっているそうですから、実勢の世界的な価格からみるとさらに50%近い値上げがあってもおかしくないと言うわけです・・・。
日本の場合は輸入小麦を全て政府が一度買い上げてから価格を決めて民間に払い下げるという形をとっているため、多少の価格耐性があるようですが、現実問題、実勢の取引価格を無視した価格がいつまでも通用するとは思えません・・・。
小麦の世界的な価格上昇にはいくつかの原因があるとされていますが、
@バイオエタノール需要によるとうもろこしなどへの転作による小麦の作付け面積の減少
A中国、インドなどによる需要の増大
B干ばつ、洪水などによる収穫減少
C投機マネーの流入による市場の混乱
などが取りざたされています。
既に世界的な産出国であった、ロシア、ウクライナ、セルビア、アルゼンチンなどが輸出規制を始めており、日本の輸入先であるオーストラリア、アメリカ、カナダなどのマーケットにそのしわ寄せがきて、さらなる価格高騰を起こしているようです。
この構図はコーヒーの世界にもほとんどそのまま当てはまりますが、小麦の場合はより深刻です。
問題がコーヒーのような嗜好品と違い、食糧の安全保障に直接関わる穀物であるということに他なりません。
小麦の自給率は約10%。全体の食糧自給率の40%という数字自体が先進国の中でもぶっちぎりの低い数字という中でさらにひどい状態。うどんなんておもいっきり日本っぽい食べ物なのに、讃岐のものも富士吉田のものも、原料の小麦はほぼ100%オーストラリア産なんだそうです。
そんなに高くなるなら、国産で自給率もあげればいいのに?と私自身も思ったのですが、現状の高騰している小麦の価格と比べても国産の小麦の価格は約3倍もするのだそうです。これでは自給率を上げようにも、経済原理からいってなかなかそうは行かないのも無理はありません・・・。
問題は、いくら値段が高騰して高くなっても、売ってくれるうちはまだいいということです。輸出国には輸出義務などはありませんから、今後世界的な温暖化の影響などによって仮に輸出国の生産量が激減するような自体となった場合、日本にそうした農産物が一切入ってこなくなる可能性もあります。
オーストラリアでは年々干ばつがひどくなり、大農園が広がっていた地域が凄まじい勢いで砂漠化しているなんて映像をニュースなどで見かける度に、なんだかうすら寒いものを感じてしまうのです・・・。
安さを求めた結果、農薬入りの餃子におびえたり、最も日本的な食べ物の一つだと思っていたうどんさえ、この先どうなるかわからなくなったり、私達日本人を取り巻く食の世界について、いよいよ真剣に考えなければならない時期になっているのかもしれませんね。
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